石膏の利用(その他)
前述の石膏ボードとセメントで石膏需要の8割強を占めています、これら以外の用途を見てみましょう。
- 地盤改良材
重量構造物建設時の地盤補強や、地震時の液状化対策として利用が進められてきた材料です。近年では大規模土木工事だけでなく、戸建住宅の建設時にも利用されています。無水石膏の利用比率が高い用途であり、震災による被害を契機にその需要が高まりました。他の用途と比較して安定した需要が続いており、国内で発生している無水石膏だけでは不足していることから、輸入天然無水石膏も利用されています。
- 建材
石膏ボード以外の建材にも石膏は利用されています。セメントを主材にする建材では石膏混合の効果は明らかですし、それ以外を主材とする建材でも同様の効果を期待して使用されています。
- 焼石膏(医科歯科用、工業型用、美術用)
石膏の用途として広く知られている分野です。二水石膏を焼成して半水石膏を作り出し、用途に合わせた硬化時間や色調に整えて販売されています。人の目や肌に触れる機会が多いことから、白色度が高く、人体への影響が少ない原料(二水石膏)が使用されています。
- 食品添加物
石膏は中性で人体への毒性が無いことから、豆腐の凝固剤(にがり)、水の硬水化剤に使われたりと食用にも利用されています。
石膏は単純に固まるだけでは無いのです。