石膏需給のこれから
数回にわたって石膏の生成工程を見てきました。
国内の化学石膏は、公害対策として硫黄酸化物の固定化や主生産品の副産として石膏が発生していることをご理解頂けたかと思います。
石膏副生により有害物質の環境への排出は抑制された一方で、炭酸カルシウムの脱炭酸作用による二酸化炭素排出に目が向くようになっています。
カーボンニュートラルを目指す中、化石燃料の使用が抑制するだけではなく、二酸化炭素排出抑制を目的として石膏生成を取りやめる予定の企業も出てくるでしょう。又、化学品サプライチェーンの変化(生産箇所の海外移転)により国内での石膏発生量が減少する傾向も加速されています。
当社調べにおいて、2020年から2029年までの10年間で新たな火力発電所等の設置で増加する石膏は約30万トン/年、対して設備の休廃止や製造拠点の海外移転による減少はmin120万トン/年と見込んでいます。
需要の減少とペースが一致していれば問題はないように思えますが、注意しなくてはいけない点があることを今後書き記していきたいと思っています。