石膏発生の仕組み(電力)
石膏市場の将来を知ることの手始めに、石膏生成の仕組みを理解していきましょう。
発電事業の副産物として石膏が生成されるなんてイメージし難いですね。
石膏生成の工程の一つにSOxガスの回収があることを前段で説明しましたが、発電事業ではSOxガス回収をして石膏を生成しています。まずは、発電事業におけるSOxガス発生源から理解していきましょう。
発電事業の中で大きなシェアを占める火力発電所で石膏は生成されています。
使用される燃料に含まれる硫黄(S)が燃焼による酸化でSOx(xの部分に数字が入る)ガスになり、中和剤である炭酸カルシウム(CaCO3)との反応で石膏(CaSO4・2H2O)が作られています。硫黄の含まれる燃料は重油及び石炭で、それを含まない天然ガスを燃料とする発電所では石膏は発生していません。
昨今の報道にあるように、火力発電所は燃焼ガスに含まれる二酸化炭素排出量抑制の観点から減少させる方向になっています。国内石膏供給量の5割強を担ってきた火力発電所の減少は石膏市場に大きな影響を及ぼすと考えます。
<発電事業での石膏生成反応式>
SO2 + CaCO3 + 1/2H2O ⇨ CaSO3・1/2H2O + CO2↑
CaSO3・1/2H2O + 1/2O2 + 3/2H2O ⇨ CaSO4・2H2O