石膏の品質(その1)

石膏の品質に影響を及ぼす点を見ていきましょう。

工業用途で使用されている天然石膏は、海水の蒸発等により形成される蒸発岩の一種で、比較的不純物が少ない鉱石です。一般的に石膏純度95%以上の鉱石が売買されており、埋蔵環境によって不純物に違いがありますが、人体に大きな影響を与える物が混入することは少ないと思われます。

国内で副生される化学石膏の純度は高く95%以上の物が殆どです。生成工程により混入する不純物は様々で、電力石膏であれば燃料や煤塵由来、非鉄製錬・リン酸・酸化チタンであれば原料鉱石由来、石膏生成に利用されている炭酸カルシウム(石灰石)由来の微量成分混入が考えられます。工業用水も循環度合いが高くなると微量成分が濃縮されることがあるので注意が必要です。

1990年代終盤からの電力自由化による新規売電事業者参入がきっかけで国内化学石膏の品質は大きく改善されたと感じています。国内石膏供給量が増加する中で、使って貰えない石膏を在庫するよりは、良い石膏を作って適時に捌くことが良策であったからです。

副産物含めて製造物全体に対する責任を果たす姿勢が有ることが、日本のユニークな市場(副産化学石膏の有効利用)を形成しているように思います。

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